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Writer's pictureAya

海外で仕事をして気づくこと


先日、以前欧州で駐在をしていた、というCさんと話をしました。彼女は弁護士としてアメリカで働いていましたが、一年間、欧州の弁護士事務所で働いたそうです。彼女はその一年間のことをものすごく良い経験だったけれども、本当に大変だった、と言っていました。


何が一番大変だったかと聞くと、慣れ親しんだ働き方ができなかったことだそうです。結婚をして幼い子供がいたCさんは、夫と子供を帯同して駐在していたのですが、アメリカにいたときはできるだけ早く仕事を終わらせて一刻も早く帰宅したいと考えて行動していたそうです。だから、昼食は机で仕事をしながら、というのが普通で、最適なことだったのです。


一方、欧州の滞在国では1人で食事を摂るのは寂しいことで、もし、そんなことをしている人を見かけたら声をかけて一緒に食べるよう誘うのが普通だそうです。特に外国から来たまだ若い女性に1人で食事をさせることなど、あってはならない、ぐらいに思っていたのかもしれません。


Cさんは、1人で食べていることは寂しくもないし、むしろ彼女にとっては好都合だからさせて欲しい、と言っていたようなのですが、相手もなかなか理解できないことだったし、毎回毎回他の人から声をかけられるのでそのたびに説明をしなければならなかったのが本当に面倒だったと言っていました。


Cさんは、アメリカでは普通、自分自身にとっては最適でも、所変われば普通じゃないし、最適と思ってもらえないのをひしひしと感じた、と言っていました。


Cさんのような経験はあちこちで共有されていますし、耳にすることも多いと思います。おそらくCさんだって欧州の働き方とアメリカの働き方の違いは知った上で渡航していたと思います。でも、知っていることと経験することは違い、「分かっていたけれども大変」という感覚になることも少なくありません。


でも、そんなときに「大変だ!」と声を上げると「知ってて行ったんだろう」や「自分で決めたことなんだから弱音を吐くな」と反論する人もいて、辛い気持ちを吐き出してはいけない、感じてはいけない、と思ってしまうことがあります。でも、それは違います。もし、自分で決めたことであっても、分かっててしたことでもその渦中にいるときは大変なんです。その時に「辛いと言ってはいけない」、ではなく、「大変なんだね」と寄り添ってあげることでつらい時期を乗り越えられることが往々にしてあります。


海外で生活をしていると「こんなはずじゃなかった」、「思ったより大変」がたくさんあります。もし、それを口にしにくい、口にしたら何を言われるか怖い、と感じているのであれば、ぜひ、私の前で口にしてみてください。言葉にならないこともあるでしょう。涙が止まらないこともあります。でも、その辛い気持ちに寄り添うのが私の役割です。辛い気持ちをしっかりと言語化し、消化することで見えてくることがきっとあるはずです。


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