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  • Writer's pictureAya

傾聴スキルその5:言い直し、言い換えをすること



コーチングを行ったり、傾聴のボランティアを行う中でキーとなる傾聴。傾聴をする上で一番気をつけなければいけないと思っていることは相手の言わんとしていることを正しく、かつ、同じトーンで理解をすることだと考えています。同じトーンというのは、「楽しい」という言葉だとして、どの程度楽しいのかというレベル感というか思いの強さのことです。「昨日友だちと遊んで(そこそこ)楽しかったよ」という言葉を「(すごく)楽しかった」と理解してしまうとトーンが変わっていることが分かりますよね?その意味です。


これを確認するために有効な方法が、聴いて理解したことを別の言葉で言い直してみることです。スキルその4の「話の内容を確認する」ととても似ていますが、スキルその4で行うことは正しく理解しているかどうかを確認するために復唱したり、推測したりします。「楽しかった」と聴いて「楽しかったのですね」とそのまま返したり、「良い時間が過ごせたのではないですか?」と推測したりします。


スキルその5で行いたいことは、敢えて違う言葉を使うことで、確実に話の内容を理解しているか、トーンが合っているかを確認する作業です。例えば「楽しかった」に対して「感動したんですね」や「ワクワクしたんですね」というと、『喜び』の感情を表しているものの、どれだけ・どのように楽しかったかを理解しようとすることになります。そして、もし『ちょっと違う』というのがあれば分かりますよね。この、スキルその4とその5の両方を使うことでお互いの理解に差異を生むことなく話を聴くことができますし、話し手の人も「理解してもらえている」という安心感を抱くのです。

スキルその4の内容とも重複しますが、言い直し、言い換えをする際に、間違えたことを言ってしまい、相手を不快な思いにさせてしまうのではないかということを気にする方がいらっしゃいます。確かに違う言葉で言ってみるとそこそこの頻度で「そうではない」と言われることがあります。上の例で見ても「楽しかったけど、感動じゃない」という可能性は大いにありますよね。しかし、このような事が起こってしまっても話し手は不快に感じることはなく、むしろ自分が言いたいことやうまく言えていないこと、言葉にならないことを再度考える機会が生まれるために、話し手自身で自己理解が進んだり、自分の言わんとしていることが明確になったりして言葉選びやトーン調整を楽しんで行ってくださることが多いです。


先日、長女が「2日で4つもテストがあってすごく嫌」と文句を言っていました。そこで私は「嫌っていうのは、疲れちゃうから?」と尋ねたところ、「なんで日程が集中させるのか意味がわからない」とのことでした。おそらく先生方も意図して日程を集中させているわけではないとは思うし、どうにもできないことなので長女の「嫌」は解消されませんでしたが、長女にとっての「嫌」なポイントが分かりました。そして、ここで言い換えをしなかった場合、私の色眼鏡で疲れるのが嫌なのだろうと思い込みを入れてしまう可能性があった、ということです。


日常会話ではなかなか行わないひと手間ですが、この言い直しをすることで相互理解が格段に進み、思い違いや勘違いが減ります。そして、人間関係構築にも役立つ結果となるでしょう。


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