「チームワークが重要だ」「新しいことに挑戦しよう」「自分の仕事に責任を持って」という言葉を聞いた時、おそらく聞き手が反対することはないでしょう。チームワークはないと仕事にならないほど重要だし、新しいことに挑戦するのも難しいと感じたり困難が待ち受けているかもしれませんが重要なことだと理解している人が多いでしょう。また、自分の仕事に責任を持つということに対して異論を唱える人もいないのではないかと思います。
では、なぜわざわざこんな言葉を書いたかと言うと、そのような発言をした人が、「自分の言うことを周りが理解してくれない・分かったと思ったのに動いてくれない」と思う場面がとても多いからです。
コーチングのセッションで、様々な立場にいるリーダー格の方々とお話をする機会があります。そんななかで年齢、性別、国籍を超えて、「周りが理解してくれない・動いてくれない」という発言をする方がとても多いのです。個別に話を聞くとご本人は「自分はまだ経験が少ない未熟者だからじゃないか」とか「女性だからだ」、「外国人が相手だから難しい」のように仰るし、それも全くの見当違いだとは思いません。しかし、それ以外のポイントもあるように思います。
というのは、例えば「チームワーク」、「新しいこと」、あるいは「責任を持つ」といった単語を発信者と受信者が同じ言動・重みで理解していないがために起こることではないかと思っているからです。
「チームワーク」という言葉を聞いた時、あなたにとってチームワークの取れているチームに不可欠なことは何だと思いますか?ある人は、「チームワークの取れているチームでは、リーダーが指揮者として全体をまとめ、指示を出し、メンバーは各々が自分の仕事に専念できることだ」と言っていました。あなたのチームワークイメージと合っていますか?もし、あなたにとってのチームワークのイメージがチームメンバーが一堂に会してディスカッションしたり作業したりという姿やその他のを想像していた場合、上記の人との「チームワーク」のありたい姿が全く違い、お互いの行動を「チームワークを乱す行動だ」とみなしかねないですよね?
「新しいこと」や「責任を持つ」も同様に人によってその言葉の示す言動が異なっていることはないでしょうか?
「違い」は「違い」であって、「間違い」ではないの、何が正しくて何が間違っている、ということではないですよね。でも、そのチームの中で「我がチームで『チームワーク』と言ったときの言動はこう」という共通認識がない場合、「うちのチームではチームワークが大事だと再三言っているのに全然言うとおりに動いてくれない」という事になってしまうのです。 チームワークのように単語の場合もありますし、「ちゃんとする」や「しっかりやる」のような『ちゃんと』や『しっかり』も認識の度合いが異なる場合があります。それを想定し、何をどうしたら「ちゃんとした」、「しっかりやった」と言えるのか、双方で確認をしておくことが「言ったのにしてくれない」を回避する重要事項だったりします。
つまり、自分たちで重要な単語の理解を合わせるために、自分たちなりの辞書をつくり、共通の「言葉」を話すことで「言ったのにしてくれない」が避けられる場面が増えてくるはずです。
周りの人が思ったように動いてくれない、言うことを聞いてくれない、と思う場面が合った場合、双方で使っている言葉に注目をしてみてください。
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